混合介護と生活援助の給付減
2017.05.17 19.22
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引用により記事を記載しています。
(皆様も是非見ておくといいと思います。)

「混合介護」と「生活援助の給付減」
政府の規制改革会議が、「介護保険内外サービスの柔軟な組み合わせ」、つまり「混合介護の弾力化」についての意見をとりまとめました。これにより、昨年来からの「混合介護」をめぐる議論が一つの区切りを迎えたわけです。注意すべきは、今回の意見が2018年度報酬改定にどのような影響を与えるかという点です。

生活援助の給付減が規定路線となる中で…

本筋に入る前に、介護保険制度をめぐる見直しの流れをもう一度確認しましょう。

まず、昨年5月に財務省が出した「16年度予算編成等に関する建議」です。この中で、訪問介護の生活援助について、「民間サービス事業者の価格・サービス競争を促す」という観点から「原則自己負担(一部補助)のしくみに切り替えるべき」としています。

ちなみに、前年の経済・財政再生計画では、「軽度者の生活援助の地域支援事業への移行」も検討課題とされていました。いずれにしても「生活援助を介護給付から外していく」という流れが形成されたことになります。

上記の提案は、結果として、その後の介護保険部会の取りまとめには反映されませんでした。しかし、2018年度介護報酬改定への論点として、「生活援助の人員基準の緩和」に向けた意見が示されました。身体介護を担う人材との役割分担を図り、人員基準を緩和するということは、当然「生活援助にかかる介護報酬の引き下げ」も視野に入るわけです。

事業者は「混合介護」を選ばざるをえない?

さて、上記の点を頭に入れたうえで、「保険内外サービスの同時一体的な提供」と「介護サービス価格の柔軟化」という2つの緩和策が導入された場合を考えてみましょう。

訪問介護事業者としては、それまでの専門職としてのホームヘルパーに「生活援助」を担わせるとなれば、採算的に厳しい状況に追い込まれます。介護保険部会の意見にある「介護専門職以外の人材との分担」を図るとしても、その人材を改めて採用し、事業所内の教育体制や指示系統の再編が必要です。かえってコスト高になる可能性があるわけです。

そこで事業者としては、先の「介護サービス価格の柔軟化」に飛びつくことになります。つまり、身体介護を担っている専門職としてのヘルパーに、「指定料」の名目で上乗せ料金を発生させるわけです。少なくとも「身体介護と生活援助を両方受けている利用者」にとっては、「同じヘルパーの方がいい」という意向になるケースも多いでしょう。これも「指定」の範囲となる可能性があるといえます。

さらに、「別料金にはなりますが、ご家族分の調理や洗濯も一緒にしましょうか」となれば、利用者の中には「その方がいい」という人も出てくるでしょう。そうなれば、先の指定料に加えて、保険外サービスの料金も(同じヘルパーが担当しながら)上乗せができることになります。生活援助の厳しいカットにより、こうした提供スタイルを積極的に選択しようとする事業者も増えてくるはずです。

利用者保護よりも財務省意向が先に立つ流れ

問題は、上記のような事情が事業者による「強要」を生み、利用者の選択権が侵されやすくなることです。規制改革会議の意見ではいくつかのデメリット防止策を上げていますが、「利用者の選択権の保障」という点での明確な対策は見られません。強いていえば、「ケアマネジメントを歯止めにする」となるわけですが、現場へのしわ寄せに頼るのはいかにも不自然です。うがった見方をすれば、「生活援助の給付カット」とのセット化を最優先するために、「事業者への規制はできるだけ緩やかにしたい」という狙いが垣間見えます。

結局のところ、(1)生活援助の給付が大幅に削減され、(2)事業者はその分上乗せ料金・介護保険外料金等の利用者の全額自己負担で収益をカバーしていく流れとなります。いみじくも、当初財務省が考えていた「生活援助の原則自己負担化」に近づくわけです。

規制改革会議は、「在宅介護の限界点の引き上げ」や「利用者の自立支援」などのメリットを上げています。しかし、政府の本音が本当にそこにあるのか。「財務省のビジョンに近づけていく」というだけの流れになっていないのか。給付費分科会で、規制改革会議の意見がどう取り上げられるかに注意が必要です。

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